「地球星人」 村田沙耶香
地球星人 村田沙耶香
破壊力抜群のベビー級ボクサーにボディーブローを殴られ続けている気分で読み進めて
ラストのぶっ飛んだ展開には顔面をブン殴られK.Oされてしまいました
大嫌いな言葉ですが
「やばい」
という一言に尽きました
境遇や環境によって人間は形成されていき社会の仕組みによって洗脳されてしまう
好きな一文があったので本文41ページより抜粋
ここは巣の羅列であり人間を作る工場でもある
私はこの街で二種類の意味で道具だ
一つは、お勉強を頑張って、働く道具になること。
一つは、女の子を頑張って、この街のための生殖器になること。
社会の歯車になり働く機械になり
人間を産み繁殖させるための生殖器になること
社会に違和感を感じないでルールに従って生きる人間は機械のようで
逆に人間は徹底的に個人の欲求を突き詰めていくと動物になり
その本能のままに動き回る狂気的な動物は『人間』そのもののように思えた
気味が悪いストーリー
気味が悪い登場人物
気味が悪い世界
気味が悪い展開
気味が悪いラストには
気味が悪いほど面白かったです
村田沙耶香さんは気味が悪いほど素敵な作家さんでした
こういうぶっ飛んだ人が売れている『文学』の世界は純粋な世界なんだなと思った
現実のこの世界に嫌気が刺している人にオススメです
ではまた。チャオ!