生きてるだけで、愛。
社会不適合者って狂っていますか?
社会適合者は本当にまともですか?
今回のブックレポートは本谷有希子さんの
『生きてるだけで、愛』です
あらすじ
生きてるだけで、ほんと疲れる。鬱が招く過眠症のせいで引きこもり状態の寧子と、出版社でゴシップ記事の執筆に明け暮れながら寧子との同棲を続けている津奈木。そこへ津奈木の元カノが現れたことから、寧子は外の世界と関わらざるを得なくなり、二人の関係にも変化が訪れるが……。
初めて本谷有希子さんの小説を読みましたが「言葉」に力を感じる作家さんでした
頑張っても頑張ってもどうしても社会に適合できない人間の葛藤をスリリングに表現していて
読んでいてドキドキ&ハラハラ&ヒリヒリ&シクシクとしてしまいました
ルールの中で生きることは疲れます
うんざりしてそこからはみ出た人間は批判を浴びます
はみ出て別の場に行っても
やはりまたその別のルールの中で生き続けなければなりません
このスパイラル。
疲れてしまいます
この小説にはたくさんの共感を感じてしまいました
うつ病の主人公がバイトをする。
そこで従業員のみんなが家族のように暖かく向かい入れてくれニックネームまで付けて呼んで向かい入れてくれる
主人公はこのアットホームな感じが嬉しいんだけど
何故かどうしても我慢できずに怒りをブチまけ便器をぶっ壊し店を出て全力疾走で服を一枚一枚脱ぎ捨てながら街を走るという描写がありました
これ凄いわかるなって思って読んでしまった
音楽活動でいうとLive終わりにその日の対バンのみんなは暖かく
「よかったです」「またやりましょう」
と優しく喋りかけてくれ、すごい良い人たちと談笑しているのに
何故か全員ブッ飛ばして店も爆破して早く家に帰りたくなってしまう衝動が時々あります(笑)
「うわああああああああ!!!!!」
って衝動に駆られてしまいます
もちろんそんな事はしたことはないですが狂気的な不思議な感覚が沸き上がってしまいます
あれはなんなんでしょうね。
意味わからないですよね?
確実に自分の頭が狂ってるんでしょう
本谷有希子さんの文章は鋭くグサって刺さる言葉ばかりで大好きになってしまいました
社会に順応できない主人公の1番好きだった言葉を106ページより抜粋しました
『ねぇ、どうしよう。駄目だよあたし。頭おかしいよ。頭おかしいのってなおるのかなあ。』
『あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとはわかれられないんだよね一生。いいな津奈木。あたしと別れてられて、いいなあ』
ふるえるとても素晴らしい一文でした。
この小説は現在映画館で上映されています
もちろん観にいきました
映画にチカラがあったんだと思いますが余韻が収まらず もう一回観に行ってしまいました
映画にチカラがあったんだと思いますが余韻が収まらず もう一回小説を読んでしまいました
こんな良い作品が少ない公開規模だったり
週間映画ランキングにもランキングされてないなんて悔しいです
日本人の感性はどうなってんだよバカヤローって感じです
音楽業界でもありますが
なんでこんなクソみたいな音楽なのにお客さんが沢山付いてるの?
なんでこんな素晴らしい音楽なのにお客さんがいないの?
といった哀しさを感じてしまいます
もどかしいですが受け手の受信する能力の問題と
その低能をわかっていて作る作り手の不誠実さの負のスパイラルが
この怪奇現象を巻き起こしているんでしょうね
才能のある人のところに人気とお金が集まってほしいものです
民主主義はバカの価値観が反映されがちです
バカの多い民主主義は悪で
故に世の中はあたりまえに狂っている
本も映画も素晴らしかったので頭が狂いそうな人にオススメです
それではまた。チャオ!!