億男
皆さん300000000円あったらどうしますか?
第2回目のken's ブックレポートは川村元気さんの
『億男』です
あらすじ
「お金と幸せの答えを教えてあげよう」。宝くじで三億円を当てた図書館司書の一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを訪ねる。だがその直後、九十九が三億円と共に失踪。ソクラテス、ドストエフスキー、福沢諭吉、ビル・ゲイツ。数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まる。
【「BOOK」データベースより】
読みやすくスイスイスーイと読了してしまいました
いちばん初めに出てくる文章の
『人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ』
という一文が印象的でした
本当にその通りだと思います
映画化されるということもあり本屋さんでは軒並み平積みされていてどのお店でも猛プッシュされています
お金の話です。
『お金』めちゃくちゃ大切です。
めちゃくちゃ大切だけど一番大切ではないです。
でもめちゃくちゃ大切です
大好きだし大嫌いになったりもします
スタジオ練習。ライブ活動。音源制作。宣伝費。機材。交通費。などなどミュージシャンが音楽活動をするのはお金がかかります。
ミュージシャンとお金は水と油の関係性だといっていいと思います
自分もたまに思いますがもし音楽と出会わなければ今頃、海外旅行をしまくって世界中を旅していたのかなと思ってしまうときがあります
当たり前ですがそうなると今まで音楽活動で出会ってきた人とは一言も喋らず顔も合わさずに死んでいた可能性が高いのでそう考えると音楽をやってきて良かったなとしみじみと思ったりもしてます
この本はたくさんのお金の名言も入っています。少し紹介します
「うまくお金を使うことはそれを稼ぐのと同じぐらい難しい」
ビル・ゲイツ(実業家)
「金持ちがお金をどのように使うか分かるまでその人間を褒めてはいけない」
ソクラテス(哲学者)
「お金にケチなミュージシャンは音がでかくパワーコードを多用してライブハウスでは決してドリンクは注文せず財布がレシートやポイントカードでパンパンになりがち」
ケン(GALAXY ROVERS)
名言や偏見が連発ですね………。
なぜかミュージシャン同士ってお金と年齢の話はタブーとされている印象です
なぜなのでしょうかデリケートに扱われています
最後にいちばん好きだった文章を紹介します。240ページから抜粋
『この現実では大抵のものは金銭があれば買うことができる。そして金銭で買えないものも多分に存在している。
その金銭で買えない存在は大体が形ではなく、人と人との間に生まれる物事だったり、思いだったりする。
そういうものの多くは《幸せ》と表現される』
お金というただの紙に振り回されて生きている人間は滑稽に見えてしまいます
お金や成功や地位や名誉も大切だけど
形には見えない人との繋がりだったり人に必要とされ誘ってもらったり、自分達の音楽を聴いてもらったりして人生を進んでいくほうが遥かに幸せなことだと気付かせてくれる本でした。
お金の使い方でその人間の性格や知性や価値観が出るという話でした。
ミュージシャンでいうとそれは当然『音』にも出るということだと思います
人望に恵まれない人にオススメです
億男は現在映画館で公開されています
観に行きましたが悪くはないと思いました
落語の『芝浜』という噺が出てくるのでその内容は覚えて観に行ったほうが楽しめると思います
ちなみに『芝浜』は立川談志さんバージョンがオススメです
本を読む習慣や時間がない人は映画館へGOしてみてはいかがでしょうか
ではまたね!チャオ!!